芸術劇場のタンホイザー聴きながらだらだら

 はーやっと週末だー。私は酒が弱いので帰宅してから飲酒するということは年に2回、日中が気温36度くらいあるような真夏に年2回くらいビールを飲む程度なのですが、今日は珍しく気持ちよく酔っ払っていますー。飲めないのになんか家にビールとかチューハイとかあるのよね。お友達が来たときに飲みきれなったものとか。

 そんでおつまみは柿の種ですー。私は柿の種が死ぬほど好きで、ピーナツと柿の種の割合とかを真剣に考えてしまうのですが柿の種ってすごく太るので自粛してたですよねー。今日は解禁でぽりぽり食べてマース。

 そんでワーグナーがねー、素面だと「男ってしょうもないなー」って感じでぜんぜんひたれないのですが酔っぱらってると気持ちいいのよねー。でもさー、人間が渾身の思いで歌ってる顔ってなんか美しくないとか思っちゃうんですけど・・・。でもいいの、メガネかけないで劇場なら4階席とかで見るのが好きかなー。

 しかしこのワーグナー、なんかスポーツみたいですよ? この春はマリア・カラスのコンピばっか恐ろしいほどのヘビーローテーションでした。やっぱりオペラはもの哀しくないと! なんかのってきたのでお仕事の続きしちゃおっかな(LOVE) いやしないと思うけど・・・。最近は仕事して戦死したいですね。今日私が「損益分岐点」って言ったら上司が驚いていました。それくらい言うよ! 私だって(笑)

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ローザンヌ国際バレエコンクール2007のオンエア予定

 ゆうべから「ローザンヌ国際バレエコンクール2007」というキーワードで検索してきてくれた方がすごい大量にいらして仰天する。夕方のテレビで特集をやってたんですね。私はNHKに電話してきいてしまいましたよ。一応いまのとこ、

 2007年4月28日(土) NHK教育テレビ 15:00~17:00

 ということになってるそうです。ただし、変更の可能性もあるので4月5日ころにもういっぺん電話してください ということでした。

 通常ならこういうことはウェブ上にアップはしないのですが(さほど影響力のないサイトとはいえ、NHKのコールセンターに迷惑がかかるかもしれないので)、この件に関しては私も毎年やきもきしてたので書いてしまいました。いつころオンエアになるか毎年まったくわからないので見逃してしまうんじゃないかと心配になってしまうのです。年によってけっこう違う時期にオンエアしてるように記憶してます。

 せめてウェブ上に4月オンエア予定とか、なんか書いてくださいなー。そしたら3月中はこのこと考えなくてもいいから。というリクエストをこめてアップ。

 Prix de Lausanne

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敬愛なるベートーヴェン

 元旦には映画「敬愛なるベートーヴェン」を。耳の聴こえなくなったベートーヴェンと、彼を支える架空の女性のお弟子さんが第九を初演するまでがお話の中心になっていて、ベトベンという人が身近に感じられるあったかい感じの映画。

 第九の初演シーンは感動。初めてこの曲を聴いた人はびっくりしただろうなあと想像する。ボッチチェリの「ヴィーナスの誕生」を思い出した、あれも初めて見た人は驚いただろうなあ。

 原題は「Copying Beethoven」、ふーん、譜面を書き写すことが「敬愛」するってことなのか。私などには想像するほかないけれど、確かにきちゃない譜面をきれいに書き写す仕事って、作曲家の音楽性とかこうしたいんだろうっていう意向や意志のようなものとかを理解してないとできないのでしょうね。

 敬愛なるベートーヴェン

 そうそう、大晦日のベートーヴェン全交響曲連続演奏会、行かれた方によると、小林研一郎さんの7番、"クライバーのライブなみ"の白熱の演奏だったそうですよ。ああ~、やっぱりコンサートに行きたい!

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実写のSオケ

 ドラマ「のだめカンタービレ」第4回。Sオケって実写で見るとおもしろい! かっこよかったです! やっぱりのだめがピアノを弾くシーンがある回はいいな~。千秋も顔が指揮者っぽくなってきて(?)たのもしい~。

 私こういう、バカだけど、ていうかそれだからこそめちゃくちゃかっこいいっていう演奏、実際に見たことありますよ! 昨年大晦日の、岩城さんのベートーヴェン全交響曲連続演奏会の第九! 正直、私が聴いても九番までたどりついたころには、オケの人ももうぼろぼろですよ、今にも空中分解しそうだと思いましたよ、あれを録音や映像で聴いて果たしてあの興奮をもう一度体験できるのかは、ちょっとわかんないです、でもさー、楽しかったの! すごく! ああ、オーケストラって楽しいなー っと思いましたとさ♪

 あ、ついでだから紹介しちゃおう。

 岩城宏之追悼コンサート
 ベートーヴェンは凄い!「全交響曲連続演奏会」

 まさかまんがやドラマみたいにコントラバス一回転したりはしませんよ。でもベートーヴェンの交響曲を1番から9番まで10時間かけて演奏してしまおうというバカ企画。日本を代表するプレイヤーの皆さんがまじめにこんなバカ企画をやって面白くないわけありません。1曲目を聴いてわかんなくてもつまんなくても退屈してもとりあえず聴いててみてください。最後までたどりついたあなたには至福のひとときが待っています。

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ウディ・アレン「マッチポイント」★★★★★

 気がつけばはや10月。今年はあと三ヶ月もあるのね(B型的思考)。新米がうまくって、毎日、納豆やいかの塩辛やつくだにでおかわりしてしまいます。そして肌寒くなってきたので、厚手の毛布をだしてきてぬくぬく。うひょ。

 って、なにを喜んでるんだ私は。簡単な女だな。

 ウディ・アレンの「マッチポイント」を恵比寿ガーデンプレイスで見る。

 面白かったー。パトリシア・ハイスミスの小説をヒッチコックが撮ったみたいな感じ。アレンの言う「マッチポイント」って、ハイスミスなら「それは本人の才能だ」って言い切るところ。ヒッチコックぽいのは、女優の美しさに迫っていくその執拗さである。嫌われるぞ~、スカーレット・ヨハンソンに・・・。

 音楽もすごく印象的だった。元のオペラは知らないのでフツーに映画音楽と思って聴いてたんだけど、「死刑台のエレベーター」のマイルス・デイビスを思いおこしました。マイルスの方が、冷徹に人間のやってることを断罪するような演奏だったのとくらべて、こっちは録音の感じもモノラルっぽくレトロっぽくしてて(詳しくはわかんないけど)、あまりにベタな旋律にかえって冷酷に聞こえる、みたいな感じ。

 つまりね一言でいったら徹頭徹尾「低俗」、身もフタもない話なのよ、でもさ、人生なんて、誰にとっても身もフタもないものじゃんっ。

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ソクーロフの「太陽」

The_sun アレクサンドル・ソクーロフ監督が昭和天皇を撮った「太陽」を銀座シネパトスで。5年ぶりくらいに“文芸映画”を見ました。よいしょと出かけてみたけど、やっぱりいいなー。

 ソクーロフは初めてだったので、この人の歴史上の人物に対する視点とかはちょっとしかわからなかったけど、単純に、映画って光と影を堪能する拵え物なんだなあってところがすごくよかったです。全体的にモノトーンに近い感じで、暗いところから明るいところへ移行する部分の、少うし影が落ちてるところの手触り、というのはへんだけど、視覚的な手ごたえ、という言い方もへんか、まあ見てるときの感じが、麻の布にざらっとさわった感じで、気持ちよかった。ここのとこが、ベルベットのような撮り方をする人とか、砂地のような撮り方をする人とか、コットンのような感じの監督とかいると思うのです。堪能しました。CGてんこ盛りのハリウッド映画ばっかり見てないで、文芸映画ももうちょっと見ようかな、と思えたのでよかったです。

 うーん。映像はよかったけど、中身はものたりなかったかな。私は。どうもイッセー尾形さんの「熱演」にばっかり目がいっちゃって。あの戦争の最中、現人神の役をしなければならなかった一国のエンペラーの葛藤としては、ちょっと底が浅い感じがしたというか。それに、完全に映像の拵え物として楽しむには、やっぱりちょっと、人物やテーマがまだ生々しいんですよね・・・。うーん、でもそういう視点を形にしてみようと試みた人はいなかったのだから、そこまで要求するのはずうずうしいかも。

 帰りに友達と「あっ、そ」と言って遊んでいました。これ見て思ったんだけど、私は皇室というものに、なんにも感慨がないんです。いいとも悪いともなんとも思わない。ということに気づきました。そんなもののために、パニック障害だかウツ病だかなんかわかんないけど、病気になっちゃう人がいるなんて可哀相だな・・・ とちょっと思いました。そういえば、ニュース番組が取材に来てて、「どうしてこの映画を見にきたんですか?」とお客さんに聞いてたけど、たぶんあんまりテレビ受けするようなコメントはとれてなかったと思う。取材クルーはなにを期待してたんだろか。

 読みかけのまま放置していた、「日米開戦の真実」の続きでも読もうかな。

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また見てしまった

 また見てしまった「結婚できない男」。

 これってなんかの踏絵なの?? 特にレンアイ感情を持っているわけでもない、同じ年くらいの独身の男友達が15も年下の女の子とハッピーになったらアタシは心からおめでとうって言ってあげられるのだろうか? っていう? でもそうかといってこっちによってこられても、「・・・この人なんかのマニア?」って警戒してしまうに違いない自分が悲しい。

 あげましたよ15も年下のお嫁さんのために結婚プレゼント。しかもそいつは再婚だった。くっそー回収できるあてもないのに。去年はほんとにすごかった。毎月のように結婚式だの結婚パーティーだの。こう言ってはなんだがあたしゃそんなに人にプレゼントだのご祝儀だのバラまいていられるほど裕福な人間じゃないっつーの。自分の家賃払ってくのでせいいっぱいだっつーの。しかもさー、結婚パーティーの二ヵ月後に、まーそこにいたるまでにはいろんないきさつがあったらしいが、嫁ハンが男つくって家出ってどーいうわけ??? そんで嫁ハンと夫ハンの両方から別々に電話かかってきて「よく話しあいなよー」とかテキトーに返事しながら私は渾身の思いでこの言葉を口にしてはいけないと耐えたのだった。

「てめえらその前に先月渡したご祝儀アタシに返せよ」

 あ、仲直りしたんですか。よかったですね(ニッコリ) 先月はストーカー被害にあってるとかいうまた別の女友達と急遽我が家で強化合宿。ウォーキングブームだった私は彼女を気温34度炎天下往復4時間のハードウォーキングにつきあわせたのだった。腕が塩辛かったです。汗で。

 これをお読みの現在独身の同じお年頃の皆さん。ずっとひとりでいましょう。そのほうが平和です。絶対。なんだか疲れました。テレビドラマで。燃費がよすぎる人間なものですから。夜更かししてるとお肌に悪いのでおばちゃんもう寝ます。お休みなさい~zzz

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今週の「結婚できない男」

 きのうかかってた曲は

 映画「タイタニック」のテーマ。その後、お気に入りのマーラーの交響曲第5番、そしてモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」で指揮マネ全開。 byCLASSICA

 だそうです。クラシック視点でこのドラマを見てみたい方は、こちらへドゾー。 私は、早坂センセもずいぶん変わってるなあ・・・ と思ってみてました。

 そんでここで紹介されてる「I LOVE CLASSICS BEST~癒しとくつろぎのクラシック」を注文。「BEST CLASSICS 100」のファンなのですが、別の人の選曲を聞きたくなったのです。ていうか私、燃費よすぎっていうか、悪すぎるのか??

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「結婚できない男」

 いつも読んでいるクラシック系サイトさんで話題のテレビドラマ「結婚できない男」。偏屈な主人公、桑野さんのクラシックオタクぶり(オタクとヲタクの区別がよくわかんないのですいません)が評判なのですが、そういう視点で見てなかったのでもひとつ感想をかきそびれていたのです。でもどんどん面白く、というかおっかしくなっていくので書いてしまうのだった。

 桑野さんて、現代の寅さんみたいな人ですね?

 すんごいイヤミなもの言いして偏屈で素直じゃないくせに、顧客のパーティーで隣の女の子がセクハラにあってると仕事を断りそうになっちゃったり、「絶対言わないでね」と言われると、ほんとはしゃべって欲しいから打ち明けてるのに律儀に秘密を守り通したり。そうかと思えば二世帯住宅の間取りでもめている一家に、「リングを作ってあげた♪」とばかりに共有のダイニングキッチンを提案なんかしてみちゃったり。ネクタイの結び方がわかんなくてネットで調べて、不器用に何度も結びなおすあたり、寅さんが21世紀に生きてたらやりそうじゃないですかっ。

 ああ~、私が今まで桑野さんに腹をたてていたのは、さくらの気持ちになってたからだったのねっ。「おに~ぃちゃん!」

 いやー現代人は複雑ですよ、これ外国の人が見たら笑えるのかな、でも実は人間て変わらないのよね。桑野さんには永遠に結婚して欲しくないなあ。でも結婚しちゃうんだよね(どーせ) その1点において、桑野さんは寅さんのようなスーパーヒーローにはなりえないのかも。

「結婚できない男」は毎週火曜日午後10:00からフジテレビ系列で。

「結婚できない男」

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お仕事

 関西テレビ発「結婚できない男」を見て、クラシックオタクの桑野さんがあまりに感じが悪いので腹をたてる。とても脚本家さんに誘導されやすい私。燃費効率超良好。

 いやみなものいいとか、部屋に人をいれたくないとかいうのは別にいいんですよ、そんなのその人の勝手だし、あ、私は部屋に人が来るのは嬉しいですよ、あれ、桑野さんの側にたっていいわけしたくなるのはなぜなんだろ、それはともかく、私は

 倒れるほど仕事をする男は嫌いなのだ。

 あなたナルシスト? とか思っちゃうのだ。まーそういうときもあるけどさ・・・

「なんで人間は働かなくちゃならないのかわからん」
「全くだ。労働が美徳だなんてウソだ」

 そんなメールに心癒される私は出社3日目です。ふー。ていうかまだ休んでたんかい。

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フライトプラン

 映画「フライトプラン」が気になっていました。子どもがいなくなったのに、乗客もクルーも、そんな子どもは見ていない、搭乗した記録もないという。母親の妄想なのか? 究極の密室で戦うジョディ・フォスター。繰り返されるCMを見て、それと船とか飛行機とか電車とか、乗り物が舞台になっている映画が好きなこともあって、オチが気になってしょうがなかったのです。

 先日、本屋さんに言ったらノベライズ本が売ってるじゃありませんか。ああどうしようかな、映画を見に行こうかな、本を買っちゃおうかな。

 私がどうしたかというと。

 オチだけ立ち読みしてしまいました。

 ああっ、ごめんなさい、ミステリーの神様! ジョディ・フォスターさん、映画関係者出版関係者の皆様、すみませんすみませんもうしません。ほんっと申し訳ござまいません。ばちがあたっても文句は言えないようなことをしてしまいました。

 ・・・・・・。

 ばち・・・ どんなバチ?

 ああああっ、ミステリーの最初の1ページを読んだ瞬間、犯人がわかってしまうバチだったらどうしよう!!! わーんほんとにもうしませんよう。深く反省。

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桃井かおりの湯婆婆

 テンプレートを変えたのをすっかり忘れていて、自分のブログを久しぶりに見たら変わっているので驚いた。小人さんがやってくれたとか?(んなわけない)

【さゆり】

 なんかすごいもの見ちゃったかんじ。中国と日本の風俗をミックスして「千と千尋の神隠し」の湯屋テイストでしあげた花街。湯婆婆の役を桃井かおりがやってるのです。はっきりいって日本のことを描いてるわけではないので英語日本語ちゃんぽんでもそれは別にいいんですけどね。

 この原作はアメリカの日本研究家の人のルポルタージュで、芸者さんという職業の芸の部分をすごく丁寧に取材してあるのです。そこはよかったんだけど、逆に、きれいごとすぎる感じもして、でもまあ美しい虚構の世界なのだろうからそれはそれでいいのか、なんて思ってたら映画はまんま妙なきれいごとの世界になってました。しかもなんか妙なアジアンファンタジーテイスト。といって「千と千尋・・・」のような強烈な確固とした世界感があるわけでもなく。

 外国の人から見たら、日本の芸者文化はほんとうに神秘的な魅力があるんだろうなあ。っていうふうに見えました。よく言えば。悪く言うと、

 ハリウッドの田舎っぺはニッポンのゲイシャガールのいいカモだった

 っていう話でしょこれ。こういう言い方って最低ですけど、でもこれじゃそう見えちゃいますよ。ただゲイシャガールの雰囲気をやってみたかっただけなんでしょ? 映画に甘やかな妄想を見出すのは観客なのであって、作ってる側の人が妄想にひたってるんじゃ、見てるほうは白けました。

映画「さゆり」公式サイト

 本はよかったです。ていうか、10年もかけて丁寧に取材して書かれた原作に対して、ものすごく失礼な映画だと思う。

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映画なめんなよ

 先月から3連休が続いてますけど、ぜんぜんうれしくありません。仕事がたてこんでいくばかりです。つじつまあわせの必要にせまられ、さっくり休日出勤、帰りに映画館によってみた。なにも考えずに楽しめるものがいいな!(そして並びたくないな!)という理由で、見た映画は

 「容疑者 室井慎次」。

  キャスト。柳葉敏郎、哀川翔、柄本明、佐野史郎、真矢みき、筧利夫、 田中麗奈。素晴らしい。好みかそうでないかはあるだろうけど、日本を代表する役者さんたちばかり。私はほとほと感心してしまいました。いったいどうやったらこの素晴らしい俳優陣を使って、

 あんな ゴミ映画 ができるのか。

 「踊る・・・」の第一作、二作は私はけっこう好きだった。管理職としての立場とショカツの刑事たちとのあいだで葛藤しちゃう室井サンは、勧進帳の富樫みたいで、見所は柳葉敏郎の眉間のしわ。二作目はなんといっても真矢ミキのサイコぶりが傑作。扮するのはキャリアの捜査本部長。ショカツの刑事たちをとりかえのきくコマだとしか思っていない彼女は、刑事が撃たれ捜査が混迷を極めると、完全にイッチャッて、あの美しい顔で、すごいドスのきいた声で「(現場の刑事が)足りなくなったら、補充して!」と凄むのだ。目なんかすわっちゃてるし。宝塚出身の役者さんて、やっぱり違うなー とシビレまくってしまったのだ。

 てわけで、ああいう映画はそんでも一箇所見所があればいいと思って、それなりに楽しんでたのだけど。

 これはなー。あきれたのとおりこして感心してしまいました。要はバブルなのです。80年代なのです。金さえかければいいと思っているのです。中身がなんにもないのです。なくてもいいよ、なくてもいいけどさ、でも一箇所くらい、見所あってもいいでしょ!? 哀川翔にあんなくだらない役させるなよー!(そこなのか)

 リンクするところがないので真矢ミキさんのブログでもはっておこう。ハイ、シャンソンショーと3回言って♪
 HAVA FUN! 真矢ミキオフィシャルブログ

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フェスティヴァル・エクスプレス

Festival お友達の家で「フェスティヴァル・エクスプレス」のDVDを見る。

 フェスティヴァル・エクスプレスは、1970年にカナダを横断したロックミュージシャンたちの特別仕立てツアー列車。参加バンドは、ジャニス・ジョプリン、グレイトフル・デッド、ザ・バンド、バディ・ガイ、フライング・ブリトー・ブラザーズとか。トロントからカルガリーまで、入場できなかったファンのためにフリーコンサートをやったり、警官ともめたり、お酒を買出しに行ったり、夜中セッションしたりしながらツアーは続く(もちろん全員へろへろ) 

 なにが驚いたって、たった35年前なのに、採算度外視みたいなことが平気で行われている。カナダという土地柄とはいえ、わざわざカスタマイズツアー列車を単独で走らせるって発想がすごい。ロック・フェスティバルで修士論文執筆中の某嬢が言うには、コンサートツアーが金儲け主義に傾いたのは80年代以降のストーンズのツアーからじゃないかと。もちろん、私たちはいまさら後戻りはできないけれど、でもこれがたった35年前のことかと思うと、ちょっとショックを受けました。

 でもそれよりもなによりも。

 ジャニス・ジョプリンがすごくパワフルでキュートでかっこいいの。ドラッグで死んだ悲劇のロック・クイーンみたいな言われ方って、ジャニスのほんのひとつの側面でしかないと思い知りました。本編の「Tell Mama」「Cry Baby」は圧巻。ジャニスのライブ映像は、ボーナス・トラックで「コズミック・ブルース」と「Move Over」も収録されています。

 あと私の好きだったのはバディ・ガイ。シャ・ナ・ナっていうバンドも氣志團 みたいで爆笑しました。すごい元気でたー

フェスティヴァル・エクスプレス

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チョコレートは夢と腐敗の味がするの

 「チャーリーとチョコレート工場」を見る。

 宮沢賢治宇宙の旅という感じ。これじゃわかんないですね。日本代表のホンジュラス戦みたいな。よけいわかりません。ジョニー・デップの"ガラスの中年"ぶりが凄まじくて面白かった(笑) お客さんたちは椅子がゆれるほど笑ってました。かの名作「チョコレート工場の秘密」をもう一度読みたくなっちゃった。

 と思ったら、柳瀬尚紀さんの新訳は賛否両論、田村隆一さんの旧版(絶版)はネットオークションで5000円とかついてますよ! そう言われると旧版が読みたくなってしまう。ジャンル違いですが、フランクルの「夜と霧」が新・旧版同時発売されましたよね。「チョコレート工場」くらいに超有名な名作なら、そうしてくれたらいいのに。

 映画の公式サイトはこちら。

追記)

 柳瀬版、読んでみました。よい! ロアルド・ダールの雰囲気はこっちのほうがよくでてる気がする。でも田村版にこだわっちゃう人の気持ちもすごいわかる気がするです。

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観客はいつだって、残虐な見世物に狂喜する。

 「スターウォーズ エピソードⅢ」を見てきました。これは旧3部作の第1作、エピソード4にループしたくなっちゃいますね。SWを一作も見てない友人もそれなりに楽しめたようですから、予備知識がそれほどなくてもだいじょうぶです。私はとっても面白かったです。

 まず冒頭から、旧三部作とは比較にならない素晴らしい映像と音声で繰り広げられる戦闘シーンに圧倒される。息もつかせぬ空中戦。信頼しあうアナキンとオビワン。なつかしいR2-D2の活躍。ほとんど慕わしくさえある華やかな殺陣。さあどうなるのかなと期待で胸がいっぱいに。

 中盤はちょっとつらかった。堕落していくアナキンに胸をかきむしられたわけではなく、話が話なだけに、ルーカスの手腕をしてもなんだかちょっと白けてしまうのは避けがたかった。例えば、なんだかアナキンって、家族のためにと言いながら、実はなにも考えなくていいから楽だ、という理由で、会社に魂を売り渡すサラリーマンのおじさんみたいじゃない? なんて思っちゃったり。また例えば、アナキンのように、女のためではなく自分のために、女を救いたいと考えるオトコって、けっこう女に暴力ふるうようになったりしそうだよなー、なんて考え込んじゃったり。

 だがしかし。ルーカスはもちろんそのままじゃ終わらせない。観客はいつだって、残虐な見世物に狂喜するものなのである。白けた気分で頭にうずまいていた切れ切れの妄想めいた感慨は、ショッキングな終末でどっかにふっとんじゃいました! 旧三部作の結末を知っているからこそ、このダース・ベイダーの陰惨な物語を“楽しむ”ことができるのだと考えると、ほんとよく出来てるなーと感心してしまいました。歌舞伎ファンの人にもオススメ!

スターウォーズ

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ミリオンダラー・ベイビー★★★★★

 ああ。面白かった。私はイーストウッドが好きなのです。とにかく、絵(というのかな?)が! 映画を見たことのない人が、映画ってこういうものだろうなーって想像するとき、こういう「絵」を想像するんじゃないかっていう、そういうホントらしさと嘘くささとのバランスが絶妙。見てるのがただただ快感。

 お話は、ほんとの、切ないおとぎ話です。イーストウッドは1930年生まれ。ただ年をとればいいというものではもちろんないけど、こういうホンモノのおとぎ話は、苛酷な人生をサバイバルして生き延びてきた人にしか作れない! 「ベジャール、バレエ、リュミエール」を見たときも似たような印象を受けたのを思い出しました。そして、「ベジャール・・・」を見たときと同じように、絶対生き延びてやる! って思ったのです。バカタレでもアホでもいいから・・・。

ミリオンダラー・ベイビー
2004年/アメリカ/133分
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮: ロバート・ロレンツ 、ゲイリー・ルチェッシ
原作:F・X・トゥール
脚本:ポール・ハギス
音楽:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド 、ヒラリー・スワンク 、モーガン・フリーマン 、アンソニー・マッキー 、ジェイ・バルチェル

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井筒和幸「パッチギ」★★★★★

 久しぶりに映画館をはしごした。日比谷シャンテで「ネバーランド」→ビックカメラ7Fで「パッチギ」。帰りにイングリッシュ・パブでローズビールとローストビーフ。

パッチギ
 これサイコー。舞台は1968年の京都。「イムジン河」はじめフォーククルセイダーズの歌が印象的。
 在日朝鮮人を描いた映画としてすぐ行定勲「GO」と金守珍「夜を賭けて」を思い出したんだけど(「血と骨」は本だけ読んだ)、「パッチギ」が私にとって一番リアルに感じた。ケンカ、恋、死、帰朝、音楽、ひとつひとつのエピソードがとにかくよく出来てるうえに、生き物みたいにからみあってる。終盤はお話の方が勝手にどんどんすすんでっちゃって、見てるこっちは感傷にひたっているひまなんてないくらい。そういうのがリアルだ。
 井筒監督は映画の言葉で話してるときのほうが好きです。在日朝鮮人問題を批評する、とかなんとか上から物言うみたいなところが全くなくて、この人はこれを伝えたかったんだなあ、っていうのがすごく伝わってきました。何を伝えたかったかは、ぜひ劇場でご覧ください。加藤和彦の声が若い! ★★★★★

ネバーランド
 こっち先に見たときには、それなりに胸を打たれるものがあったんだけど、「パッチギ」見ちゃったらいかにも作りもの臭く感じてしまった。子役が可愛すぎ。それでもやっぱり、夜の子供部屋でピーター・パンがふわっと空を飛ぶシーンはほんとにわくわくしてしまうんです。ワイヤーで吊るされてるのがバレバレだったとしても。

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太陽がいっぱい

soleil スカパーでやってた(たぶん私は自殺の危機をスカパーで乗り切るのだろう)「太陽がいっぱい」を見ました。フラ・アンジェリコについて女が書いた原稿を、怒った男が海に投げ捨てる、っていうのがヨットの上での痴話げんかなんですよ。ステキ。

 アロン・ドロンのリプリーはパトリシア・ハイスミスの原作にあってる感じがしてめちゃくちゃ好きです。すごく頭がよくてこずるくて、度胸もあるのにいじけてて、でも卑しいけどいやらしいところのない(このふたつは違うとこの映画を見て知った)リプリーというキャラには、やっぱりマット・ディモンじゃだめなのです・・・ なんかマット・ディモンのリプリーは卑しくはないんだけどいやらしい感じがして違うと思った。この役ひきうけるの度胸がいっただろうな。それともあんまり考えないものなのかしらん。昔の映画だもんね。

 ニーノ・ロータの音楽は有名すぎて、映画音楽というよりは喫茶店のBGMを拝借しているみたいに聞こえてしまった。

太陽がいっぱい
(1960年 仏・伊)
監督:ルネ・クレマン
原作:パトリシア・ハイスミス
音楽:ニーノ・ロータ
出演:アラン・ドロン/マリー・ラフォレ/モーリス・ロネ

リプリー 新装新版(河出文庫)
著者:P.ハイスミス
佐宗 鈴夫訳
税込価格: \620 (本体: \590)
出版:河出書房新社

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久しぶりにビデオを見た

 半年くらいろくに映画もあまり見てなかったし本も読んでなかった。本なんか読んでどうするの? とか、映画なんか見てどうするの? って気分になることありませんか? たまにそういうふうに人間不信というか何か不信になることがあります。なんとなく脱けつつあるけど。

■ジョゼと虎と魚たち
 障害があるからとか関係なく、若い頃の恋愛ってこうだよなーというところはちょっとジンと来た。しかし一方でジョゼの少女趣味な言動にげんなりしている自分がいた。障害があるとかどうとかは関係ない。見苦しくも生き延びてしまうということは少女趣味とは正反対なのね。私は若い頃をなつかしく思い出せるタイプじゃないのです。抹殺したい過去多数。最後にひとりで電動車椅子を駆使して出かけていくジョゼのほうがずっと好き。

■木更津キャッツアイ 日本シリーズ
 余命半年を宣告されたぶっさんと仲間達のどたばた話。公開時の2003年、身近に癌で余命僅かという人が2人いたので、ずっと見れなかった。いや見れないですよ。やっぱり。今となっては「あーわかるー(爆笑)」って感じです。ほんと、死は誰にでもやってきますから。ジタバタしないようにしたいです。自分の死も他人の死も。

■桜姫東文章(上)
 去年の7月に歌舞伎で昼夜に渡って上演された公演の昼の部。鶴谷南北ってもうどろどろ。歌舞伎は役者さんよりお話で見てしまうんだけど、今のところ滝沢馬琴のほうが好きかも。「椿説弓張月」とか。前半もすごい展開だったけど後半どうなるのかしら。感想保留。

■指輪物語
 全六巻のうち「2つの塔」の下巻が読み終わるところ。さすがに飽きてきた(笑) 

■鴨とあひるとコインロッカー(冒頭だけ)
 間違えた「アヒルと鴨のコインロッカー」 なぜこの人たちはたかだか万引きくらいでこんなに四の五の言ってるのでしょうか? そんな大事件? それにボブ・ディランの「風にふかれて」とかどういうつもりでひっぱりだしてきたんだろう。50年も前の歌じゃない。と申しますか今ちょっと波長があわないので保留。関係ないけど吉田修一のうまさって鶴太郎の演技と似てませんか。なんか私に足りないのはやっぱり殺人なんじゃないかしら。という気がしてきました(苦笑)

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「RHYTHM IS IT!」ベルリン・フィルと子どもたち

 今日はうってかわって寒かったですね。そんな中、渋谷ユーロスペースで「ベルリン・フィルと子どもたち」を見てきました。 

 ベルリンの子供たち250人がベルリン・フィルの演奏で「春の祭典」を踊るという「教育プロジェクト」のドキュメントです。子供たちは出身国も様々で年齢も8歳から20代の初めまでと幅広い。経験のあるダンサーもいるけどどちらかというと難民の子供とか社会の底辺で生きている子たちばかり。だめおしするかのように、ベルリンの寂しい光景が挿入される。寒々しい景色。子供たちはにやにやしたりしゃべったり、コバカにしてマジメになんて踊りやしない。そりゃわかる。やっとられるかい。現実はこんなに厳しいのに。

 それがあるとき化けるんですよ。人間てすごいわ。

 音楽とは踊るためのものだと思ってた私は、じーっと席に座って演奏に耳を傾けるクラシックのコンサートに実はけっこう困惑気味です。すごいオーケストラの交響曲を生で聞くときって、ものすごい巨大な精密な機械が寸分の狂いもなく動いているのを見ているような感じで、どっちかというと音楽を聞くというより絵やオブジェをみるのに近い感じがします(私は)。同じ音楽でも違う細胞つかって聞いてるのかな? などとへんなことを考えたり。

 でもこの映画を見て、音楽聞くのにどの細胞使うもないんだなーって思ってすごく安心しました。音楽はリズムだ! と有名な指揮者の人が言うのを聞いてすごく嬉しかった。原題「RHYTHM IS IT!」のほうがだんぜんいい!

 本番の舞台なんてもう大人とか子供とかプロとか素人とか関係ないですよ。子供たちの踊りはただ純粋にエネルギーが放出されてるって感じで(もちろんそう見えるような卓抜な振り付けがあってのことなのだけど)、そもそも「春の祭典」ってそういう音楽でオーケストラの演奏もさわればきれそうなくらいとがってる感じがした。

 子供たちが初めてオーケストラの音楽と顔合わせしたときの言葉がこの映画を表していると思います。

「ベルリン・フィルは僕たちと同じなんだ。可能性を秘めているんだ!」

 目を輝かせてそう言う青年(この男の子は20歳くらい)も、彼にそう言わせたオーケストラも、どちらもめちゃくちゃかっこよかったです。

ベルリン・フィルと子どもたち

監督:トマス・グルベ/エンリケ・サンチェス・ランチ
出演:250名のベルリン在住の子供たち
ロイストン・マルドゥーム(振付)
スザンナ・ブロウトン(共同振付)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)
サー・サイモン・ラトル(指揮)
製作:ウヴェ・ディレクス/トマス・グルベ/アンドレア・ティロ
撮影:レネ・ダメ/マルクス・ウィンターバウアー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー「春の祭典」
タイトル曲:ウィキッズ「Versteck dich nicht」
配給:セテラ
2004年/ドイツ/1時間45分/カラー/1×1.85/ドルビーSRD

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山猫【イタリア語・完全復元版】

 ヴィスコンティといえば「山猫」を見てきましたよ。心地よい緊張が全く途切れることなく3時間があっという間でした。

 ヴィスコンティの映画を見終わると、いつも、映画を見たというより「ヴィスコンティという人に会った」という気持ちにさせられます。その初老の紳士は、気難しそうで、私にはわからないような悲しみをしょっていて、指は節くれ立って長く、軽く第2関節をまげていて、仕立てのよさそうなジャケットをゆったり着て、いつも遠くを見、彼が歩いただけで空気が変わり、私は絶対に話があいそうにもないので部屋の端のほうから彼の姿を盗み見るだけなのですが、それでも強烈な忘れられない印象を心に刻み付けられてしまうのです。

 また会えてよかった。また会いにきます。部屋の端からこっそり盗み見るだけだけど。

「山猫」
製作年度 1963年
製作国・地域 イタリア/フランス
上映時間 161分
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
原作 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
脚本 スーゾ・チェッキ・ダミーコ 、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ 、エンリコ・メディオーリ 、マッシモ・フランチオーザ 、ルキノ・ヴィスコンティ
音楽 ニーノ・ロータ
出演  バート・ランカスター 、アラン・ドロン 、クラウディア・カルディナーレ 、リナ・モレリ 、パオロ・ストッパ

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見ず嫌い・読まず嫌いの人のための「指輪物語」

 バカファンタジーは好きなんだけど、おおげさなのは性に合わないゆえ、世界最高のファンタジーと言われる原作にも作者にも、ましてやハリウッドだのアカデミー賞だのまったく興味のもてなかった私。「ロード・オブ・ザ・リング」三部作も、一応、話題なので第一部はだいぶ前に見たんですが、イライジャ・ウッド君扮するフロドの眉間の深いしわに辟易し、二部以降を見るのは断念したものです。
 
 だってさー、世界の憂鬱を全部しょってるみたいな顔しちゃってさー、って、しょっちゃってるんだけどさ、あんな人会社の同僚にいたらいやだよー。いざというときに、皆が危険にさらされているときに、例えば展示会の前日の午後十時に印刷物に致命的な間違いを発見したときとかにさ、フロドみたく目をむいてプッツンいっちゃう仕事仲間なんて使えないったらありゃしない。ってわけで、諸悪の根源である指輪を悪の誘惑と戦いながら捨てに行く旅、ってえ物語に、根本的についていけなかったのですね。
 
 なのですが、「あれは一部が一番つまんないんだよ。だまされたと思って全部見てみ」という知人の言葉に、若干斜にかまえつつ、スカパーのPPVで見てみました。息もつかせぬ展開にはひきこまれるものの、やっぱり話自体が好きでないと思った・・・ 人間は悪の誘惑に負けるもんだっていう前提がサディスティックなくらい繰り返されてて、もういいよ~ って感じで。それに戦争のシーンとか確かにすごかったけど、情報量が多すぎ。エレスサールってなによ。意味わかんない。って思った。
 
 そう、オチにたどりつくまでは。
 
 指輪を葬ろうとする旅の結末。すごく悲しくて、リアルで、でも救いがあるの。それまでの数々のいやーな話(感動的なエピソードよりいやな話のほうが強烈に訴えてくるのはなぜなんだろう)は、すべてここに収斂されていた。物語ってそういうものなんだ。
 
 気に入ったので、家にいるときには録画したものをBGV的に流しっぱなしにしてしました。そうしたら、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵の背景みたいな美しい風景や音楽、衣装やセット、小道具の素晴らしさがやっと目にはいってきた。これは原作にあたってみなければなるまいと、図書館へおもむくも、区内の図書館で全部貸し出し中。気が短いので本屋へ行った。
 
 うわ! エルフ語の本まであるよ(笑) エルフっていうのは物語に重要な役割を果たす妖精の一族で、北欧神話に出てくるのね。「指輪物語」は文学者で言語学者であるトールキンの研究の集大成みたいなもので、エルフ語の文字はトールキンが北欧の伝承物語研究の中で、古ケルト語をベースに創作したのだそうです。すごい人がいたんですねー。
 
 原作は、話があっちにそれたりこっちにそれたりするところにかえって神話的な世界の厚みが感じられました。素朴な訳のおかげもあって、もっとゆったりして朴訥とした印象です。トールキンはこの古風な伝承物語風な語り口をわざとやってるのです。お話の中で、登場人物(ピピン)に、プルースト以降にありがちなくどくどしい情景の描写なんかをギャグっぽくさせてるくらいだもの。

 映画の方は必死で話を進めないと終わらないので(笑)、もっとスピーディーで、ハリウッド映画らしく視覚的・直感的に訴えるつくりになっています。会話もすごく洗練されている感じです。ただし洗練されすぎてて、会話のひとつを聞き漏らすとあとで意味わかんなくなったりするので注意。
 
 ファンタジーに抵抗がある人は、作家や物語が創作された背景からはいる楽しみ方もあるかも。いまさらトールキンや「指輪物語」やこの三部作の映画について、私などが語ることもないのは百も承知なのですが、私といっしょで、見ず嫌い、読まず嫌いの人もいるのではないかと思い書いてみました。ただいま、全6巻の原作の3巻目にとりかかり中。「のだめカンタービレ」を大人買いしようと貯めていたアトレやbk1のポイントは、旅の仲間たちに捧げます。

「ロード・オブ・ザ・リング」公式サイト 
指輪物語 
エルフ語(フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』より)

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誰も知らない

 わ。びっくりした。ロスト・イン・トランスレーションを見て、キル・ビルを見て、ラスト・サムライを見て、どうして自国の情報を自国の作家が撮れないんだととりとめもなく悔しがっていたのですが、ちゃんといらっしゃるじゃないですか。日本の大都市の病理と愛と哀しみをちゃんと世界に伝えようとしている作家が。私が不勉強なだけでしたスミマセン。

 モチーフとなったのは1988年の西巣鴨子供4人置き去り事件。YOUさん演ずるお母さんは、20万円を残して家を出て行ってしまいます。子供たちは誰にも知られないまま、それでも生延びていこうとするのですが、やがてもっとも悲しい形で限界と破綻がやってきます・・・

 きつい。すんごいきつい。きつくないわけないですよ。このコたちはいったいこの先どうやって大人になっていったらいいんだろうってすごい考えちゃうし。でもきついがすごいと思ったのは、是枝監督の視点に「憐憫」というものがないところなんです(私なりのものの言い方なので、違うように感じる人も当然いると思いますが)。生延びようとする子供たちへの深い敬意と愛情、ふがいないというにはあまりに情けない大人たちに対する絶望的な共感、宇宙人のように社会から浮遊しているフリーターや女子高生たちを正確に写し取る観察力。でもそこに、「憐憫」はなかった。

 「哀れむ」って感覚は私はどうしても好きになれないのです。上から見下ろしている感じがして。「もののあはれ」とかいうのとはまたちょっと違うと思うけど。例えば、すごい権力者でお金持ちで、でも人の心を平気で踏みにじるような人のことは「ああこの人、人間の心をなくしちゃったんだなー哀れだなー」と思う。でも、いろんな意味で、力がなくて、お金や権力の面で社会の底辺に生息する破目になっている人たちのことを、「哀れむ」のはそりゃ「侮辱」してるのといっしょってものですよ。

 とてもきつい題材だったけれど、最後まで見ることができたのは、その「哀れむ」という視点が全くなかったからなんです。

以下は是枝監督のホームページより、氏ご自身のコメント。

1本の映画を根底で支えているのは、作り手の強い感情だと思います。マイケル・ムーア監督の 『華氏911』 が"怒り"に支えられているように、この映画の企画を長い時間支えてきたのも"怒り"でした。企画から15年という時間が経ち、主役に柳楽優弥くんという存在を得たことで、その怒りは僕の中で次第に愛情に変化していきました。僕のその感情は、多くのスタッフ・キャストにも共有され、映画はようやく完成しました。今回、その感情を審査員の皆さんや観客の方々にも共有して頂けたのだと嬉しく思っています。感情が怒りであれ愛であれ、それが映画を通して共有されていくことで、少しでも人が人とお互いの理解を深められるようになる―――そんな可能性を信じて、僕はまた強い感情をもって映画を作りたいと思います。

 そうか、作家もまた、深いところへ降りていくからこういう映画が撮れるのですね。

 カンヌで主演男優賞をとった柳楽優弥君について。思春期にはいりかけている明の混乱や成長が、撮影当時12歳だった柳楽君自身の成長にオーバーラップしちゃっててすごい説得力があります。それって演技力があるっていうのとはまた違う話のような気がするけど、自身の変化が役柄にシンクロしてしまうなんて、若くして因果な商売を選んだものだなーと思わざるをえないくらい素晴らしかったです。

 ちなみに私はこれをスカパーのPPVで見ました。録画不可で、1500円でした。

誰も知らない 2004年 日本 141分
監督 是枝裕和
音楽 ゴンチチ
出演もしくは声の出演 柳楽優弥 、北浦愛 、木村飛影 、清水萌々子 、韓英恵

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ディープ・ブルー★★★★★

 BBCとドイツの映画会社による海洋ドキュメント。

 そこにあるのは官能的な波のうねりと、細胞のすみずみにまでしみこんでくるようなベルリン・フィルの音楽と、動物たちの生と死。そう、これははしたないくらいあけすけなエロスとタナトスの映画なのです。NHKのドキュメント番組のように、新しい知識を授けようとする姿勢は皆無。そういうのを期待するとはずされます。なんかナレーションがぼそぼそ言ってたけど聞いてないもん(苦笑) 字幕も見やしなかったし。

 実は見る前は半信半疑だった・・・ リュック・ベッソンの「アトランティス」っていう似たつくりの映画を思い出しちゃったのだ。海のドキュメントを説明なしに詩のように見せる試みの映画として興味深かったけれど、なんかあざとくてつまんなかったのだ。だから「ディープ・ブルー」も似たようなものだと想像してたし、それにミーハーな私は、いまだったら「華氏911」とか「誰も知らない」とかが見たかった。でも美大で充実した学生生活を送っている(に違いない)友達の妹御が、「いい!」というので見てみる気になったのだ。美大生の考えることはわからんとかいいながら。

 なるほど。美大の学生さんがよろこびそうな映画だ。感覚が肉体的にゆさぶられる、みたいな感じなのだ。観客は、音楽によってミハエル・シューマッハの運転するフェラーリに載せられたような(ジョージ・フェントン談)気分で広い深い海に連れて行かれる。くじらとかいるかの映像を見て、そのボディに官能を感じたのははじめてだ(笑) 母くじらとひきはなされ何頭ものシャチに襲われて力尽きた子くじらの、顎と舌だけを食われて沈んでいく、あえて言おう、嗜虐の美しさは三島由紀夫ファンのあなたなら必見。卵をはらみ羽衣をひろげたゆたうタツノオトシゴに神秘を感じ、深海の小さな生物が身を守ろうと発する閃光に魅せられ、イワシの大群を襲うマカジキのスペクタクルに目を見張る。いったいこれはどうやって撮ったんだ(驚)

 この圧倒的な映像にはこの音楽でなければだめです。この音楽あればこそ、知らない生物を珍しく眺めるだけに留まらず、生きることの官能まで感じさせてくれるのだって感じがしました。たぶんDVDが発売されたら買っちゃいます。

 公開からちょっと時間がたっちゃったけど、海が好きな人、そして人前で、映像と音楽に、中でも水のエロティシズムに平気で陶酔できるほど、恥知らずなあなたなら楽しめることうけあいます!

ディープ・ブルー
2003年
イギリス/ドイツ
91分
監督 アラステア・フォザーギル 、アンディ・バイヤット
音楽 ジョージ・フェントン
演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 金曜の夜中にシンクロナイズド・スイミングのチーム・プログラム決勝を見て、リフトの直前にうつされる水中の様子がなんかに似てると思ってたのですが、あれは陸にあがろうとするペンギンの、水中の様子とそっくりであると判明しました(笑)

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八月納涼歌舞伎 東海道四谷怪談(スパイダーマン篇)

 中村座のニューヨーク公演が大成功し、有名評論家にニューヨークタイムスで「スパイダーマン2より面白い」と評されたと聞いて、私は ???? なぜスパイダーマン? と思っていました。リップサービスの部分もあっただろうけど、それにしたってスパイダーマンと中村座が比較の対象になるのかい? って。ちょっと乱暴ですが、同じ中村一座の「四谷怪談」と比較してみました。これを確かめるためにアタシは映画も見てきましたよ!

 結論。(比較の対象に)なります。

 スパイダーマン。少年は大人になり、成熟した愛を手にいれ悪い奴をやっつける。四谷怪談。女は幽霊になり、報われない愛を捨て悪い奴をやっつける。方や掌からくもの糸をはいてビルの谷間を縦横無尽にかけめぐり、方や何役にも変身しながら江戸時代の真っ暗な夜の闇の中を天井からちょうちんから戸板の裏からどっからでもあらわれる。そっくりじゃん。

 ふくさんもおっしゃっていたのですが、スパイダーマン2ってかなり歌舞伎の作りに似てると思いました。ピーターが葛藤しつつ正義の道を選ぶところなんか、心の動きとしては勧進帳の富樫みたいだし(えっと、違うけど、気持ちの揺れ動き方がってことです)、親のあだ討ちとか、深い因縁あるふたりの戦いなんかも見たことあるような気がします。見ているだけでわくわくするビルの谷間をわたりあるくシーンのケレンはまさしく歌舞伎の世界のものと同質のもののように感じました。

 たぶんこんなふうに感じるのは中村一座だからこそ。そう、勘九郎丈のお岩さんはこわくない。なんたって悪いのは伊右衛門なんだものっ やれやれーもっと懲らしめちゃえー! ・・・・って、四谷怪談ってヒーローものだったのかい(違う)

 なにしろお話は暗すぎて面白い鶴屋南北。まず文字通り、舞台の上が暗い。背景なんか真っ黒。場内は、非常灯まで消されるのです。そうして気分をもりあげた上で、登場するのは傘を貼る浪人、夜は娼窟へ出る元武家の娘、一目ぼれした妻子ある男を手にいれるために、その妻が毒を飲まされようともなんとも思わないお嬢さん。このなんとも思わないってとこがこわいんです。「ヒヒヒ・・・ ひどい目にあわしてくれるぅ~」とかいうんなら全然こわくないけど、なんとも思わないってとこがねえ。こういう話を娯楽にしてしまう江戸の人々のたくましさ、エンターテインメントに対する貪欲さがエラく頼もしかったです。

 長すぎるということで省略された三角屋敷のパートは、舞台番の染五郎さんが説明してくれました。三角屋敷のパートって、2年くらい前に単独でやってますよね? ちょっと記録が出てこないんだけど。こういうことがあるからブログに書いておきたいのさ・・・
 
 おまけ。例の1階席の仕掛けはかなり驚きました。突然、1階後方から、きゃーっ とホンモノの悲鳴が。となりのおばさまと「ふふ。お客さんの声のほうがこわいわねえ」などと余裕で苦笑なぞ浮かべていたのですが、そうするうち。私の目の前に。 ・・・・・・・・・・。 きゃーっ きゃーっ きゃーっ きゃーっ おばさまと手をとりあってもだえてしまったのでした。 

 あと、ラストはやっぱりあの終わり方じゃないと後味悪くていけない、とか、アメリカで公演してすぐ歌舞伎座でも違う演目を演じているこの人たちの仕事量ってすごいなーって思ったとか、いかりや長介さんがいかに勉強熱心で歌舞伎を研究していたか実感した、とか、中年になったドリフファンは、ただ昔のビデオを楽しむだけでなくいかに熱心で真摯な勉強からあの「八時だよ! 全員集合!」が生まれてきたかを考えてみるのも面白いかも、とかいろんなことを感じてとっちらかり気味ですが、とりあえずアップ。いやどうも、長くなっちゃってすみません・・・

 八月納涼歌舞伎 第3部
 通し狂言 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
 序幕 浅草観世音額堂の場より
 大詰 仇討の場まで

 お岩、小仏小平、佐藤与茂七 /勘九郎 の三役
 民谷伊右衛門/橋之助
 舞台番/染五郎
 お梅/七之助
 按摩宅悦/弥十郎
 お岩妹/お袖
 小平女房お花/福 助
 直助権兵衛/三津五郎

 歌舞伎座ホームページ

 スパイダーマンみたいなのって歌舞伎座でできないのかなー できそうな気もするけど・・・
 スパイダーマン2

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ベジャール、バレエ、リュミエール

 「バレエ・カンパニー」のダンサーたちが橙色の灯火だとしたら、ベジャールのダンサーたちは太陽の周囲をまわりながら光を受けて輝くダイヤモンドみたいだ。アルトマンのほうでは、ダンサーたちは「フツウの人」だった。恋をしたり、妬んだり、笑ったり、悔しがったり、そのフツウぶりが切なかったのだけど、ベジャールの方は。

 2001年6月にローマの円形劇場で初演された「リュミエール」の創作過程を半年近くに渡り追いかけたドキュメント。私は77歳という彼の年齢が頭から離れなかった。何かを残そうとしてるんだ、この人は、でもいったい何を? ってずっと思いながら見ていた。

 かいまみたバレエ「リュミエール」は、なんだかちょっと滑稽だった。映画とシャンソンとバレエが渾然いったいとなって、お話らしいお話もなく、ベジャールという人の頭の中の、いってしまえば生涯かかって溜め込んできたきれいな妄想を具現化しようとしているみたいな感じだった。これが彼の残そうとしたもの? 

 ・・・泣けた。生きるっておかしくて滑稽で、支離滅裂で、思い込みでできあがっていて、そうしてできあがったものはおおらかであったかくて笑えるんだ。なぜかジャン・ルノワールの晩年の小説「ジョルジュ大尉の手帳」とか「ジュヌヴィエーヴ」を思い出した。なぜかでもないか。そういう話か。

 こういう70代になりたいなあ。ベジャールのようにではなく(当たり前だ)私のように。長生きしたいなあ。春に生まれたものが、夏をすごし寂しい秋や苦しい冬をのりこえて、もう一度春を迎えるのを見たいなあ。年は関係ないとしても、生きることをいつも喜んでいたいなあ。

 としみじみ思ったのでした。冒頭のボレロで泣きそうになり、帰りにはバルバラとグレン・グールドのCDを買っていたのだった。
 

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オタクが男になるとき

 「小川直也と浅野忠信のどっちがいいか」と聞かれて「小川直也」と答えた私は友人K嬢に「間違いなく体育会系」と断定されました。もつべきは友だと心底思いました。そう考えれば全てのつじつまはあいます。私は文系の人間じゃないんです。でもさ、体育系の人間がゲルギエフ聞いたり助六見たりしたっていいじゃないっ

 もう誰に対して怒っているのかわからないばかりか、人間を文系と体育会系にカテゴライズしてよろこんでいるというその時点で文系でも体育会系でもなく単なる愚か者のワタナベです。こんばんは。(←祝!再会! 腐女子風に)

 さてウォーターボーイズ2ですが。

 男の子のシンクロナイズドスイミングに目をつけたドラマの2作目。今回は、元女子高ゆえに男子生徒が32人しかいないという環境を設定し、笑いあり涙あり夢あり恋あり挫折ありの青春学園ドラマの王道を行くストーリーです。そういうのが好きな人もいるかと思いますが、このエントリーではそういうことが言いたいわけじゃなくって。

 男の子のシンクロ。

 私はこの目で見ました。挙動不審気味のいかにもオタクっぽいやせた背の高い青年(20代半ば・髪は伸ばしっぱなし・人と目をあわせない・はっきりしゃべらない)が、水深5メートルのダイビングプールで、6歳の女の子や54歳のマダムに混じって3時間の間シンクロのさわりを体験し、水からあがったときには、ほんとにさっぱりと、一皮向けたというか何かふっきれたように精悍な若い男に変貌していたことを。あ、それはちょっと言いすぎですが(笑)、近いものはあったんです。

 はい、横浜国際プールのシンクロ体験教室に行きました、ワタクシ。体育会系ですから。2年くらい前のことですが。

 以前ダイビングをやっていたのですが、腰を痛めてすっかりご無沙汰してしまい、足の立たないプールならやることは似てるだろうと、すごくおおざっぱな理由で行ってみたのです。足のたたないプールは本当に気持ちがいい。のびのびします。人間、沈もうと思ってもなかなか沈めるものではないということも知りました。なんかありますよ、プールには。小さい頃、お風呂に潜って何秒息を止めていられるか試したことがあるなら、あなたの一番いいところをダイビングプールは引き出してくれるに違いありません。今書いていて気づいたのですが、そんなことをする人は多いのでしょうか? 少ないのでしょうか?

 日本はシンクロのレベルが高いので、体験教室では選手候補を見つけようとしています。端的にいうと14歳以上の女子は問答無用で全員おばさん扱いです。男子はその限りにあらず(たぶん) 私には毎週通う体力はありません・・・ 通ってたら、今ごろブログなんて書いてませんね(笑)

 シンクロナイズドスイミングは、見てるより演じるほうが絶対楽しい! ということが伝えたかったんです・・・ しかしどちらかというと「ひかれる」んじゃなかろーかと思わないでもなかったりもするのでした。まあいいや。小川直也のほうがいいもん。がんばれOちゃん。

 ウォーターボーイズ2(フジテレビ)
 横浜国際プールのシンクロ一日体験教室 

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女友達

■ホテル・ビーナス

 R嬢と久しぶりに会った。この人、体調が悪いとかいろいろたいへんだったんですが、元気そうでよかった! しかしRちゃんと歌舞伎町で冷やしうどんを探すことになろうとは。なんとなく、このエリアに最もふさわしくない女性という気がしていた(笑)

 で、「ホテル・ビーナス」。住人たちにトラブルが続出する後半は、ひとりひとりのドラマとしてちゃんと迫ってくるものがありました。ラスト、解決できるものは解決し、解決できないものはそのまんまで(ここポイント)それでも生きていくよねぇ という感じがよかったです。でも剛くんのよさが生かされているとは思えなかったなー。残念。

■ロスト・イン・トランスレーション

 ソフィア・コッポラの新作。東京が舞台です。作者が親日家だというのがわかる気がした。例えばパーク・ハイアット・ホテル。いったいスペイン坂のてっぺんでこの映画のために1800円払い小一時間もお行儀よい整列を強いられることを厭わぬ清潔そうな子供たちの何人がこのホテルに泊まったことがあるのだろうか。でもそれが東京なんです。海外からの訪問者を出迎えるのは、敬意のない豪華さを信じ難いことにとてもはにかみながら体現したこのホテルを置いて他にない。そして作者はその感じがきっと嫌いじゃないんですね。歌舞伎座や築地や雷門では、東京というより「江戸」になっちゃうのでまた別。

 いっしょに見に行ったK嬢は黒い短い髪に同色の長いエクステンションをつけていた。酋長の娘? いったいここは何処よ(笑)

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いかりや長介さん

 「八時だよ!全員集合」は幼年期の記憶と直結している。なにしろ「ジスイズアペン」の頃7歳だったのだ。そりゃもう食い入るように見ましたとも。

 長さんはババンババンバンバンのエンディングが一番かっこよかった。いつもガミガミ言ってるこわい親分の長さん(子供なので現実と虚構の区別があんまりついていない)が、「風呂はいれよー」「歯ぁみがけよー」「宿題やれよー」と声をかけてくれるのが何ともいえず嬉しかった。ドリフでいろんな初めての体験をした。教育上よろしくない! っていう大人たちの反応も初めてなら、荒井注と志村けん(当時呼び捨てにしていたので敬称略)が交代し、「大人っていろいろあるんだなー」と感じたのも初めての体験。地味でさえない仲本工事が、体操の時間にはエラクかっこいい、っていう驚きも初めてだった。そう、ドリフは大人の、外の世界だったのだ。

 訃報を聞いて、ものすごく寂しくなって、そのことに自分でかなり戸惑った。よく考えてみたら、自分の幼年時代を知る人が(とこちらが勝手に思っている)いなくなってしまったことに対する寂しさだと気づいた。何しろ毎週、宿題やったか、とか、風呂はいったか、とか、耳そうじしたか、とか気にかけてくれる人だったのだから。

 長さん、いなくなってしまってとっても寂しいです。でも長い間ありがとう。本当にお疲れ様でした。どうぞゆっくり休んでください。

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息子のまなざし

 これはすごい! 未見の人はすぐ行ってください! 地方の人は上京してでも見てください。なにしろ最初の10分がすごい。セリフらしいセリフも、音楽さえもなく、主人公の行動とカメラワークだけで、なんだかわかんないけどすごく葛藤している主人公の内面に観客はいきなり投げ込まれる。

 ものすごく突き放したドキュメンタリー的な描き方でありながら、ひどくエモーショナル。映画の間中、これは誰の視点で描かれた物語なのか? と私はずっと考えていました。主人公オリヴィエではない、出所してきたばかりの少年でもない、ジャーナリストの目でもなければもちろん神の視点でもない。見終わってしばらくして、ああそうかと思った。あたってるかどうかはわからないけれど、自分なりに感じるところがあった。映像だからこんなことが可能なんだ、小説にはできないことだとえらく興奮する。先入観なく見て欲しいから、あまりいろんなことここで書いてしまいたくありません。

 けっこう混んでます。ユーロスペースは整理番号を出してくれるので、週末は1時間くらい前に行くことをおすすめします。必見!
 
息子のまなざし
監督・脚本 : ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
プロデューサー : ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、デニス・フレイド
撮影監督 : アラン・マルコァン
キャメラ : ブノワ・デルヴォー
キャスト:オリヴィエ・グルメ/ モルガン・マリンヌ

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DENNY BE GOOD !!!

「世の中には2種類の人間しかいない。ひとつは、いつも同じ時間に起き、同じ電車に乗り、同じ連中にあい、同じことを考え、同じ仕事をし、同じ話をし、同じ場所に帰り、同じ女とやり、同じ時間に寝る。そしてもうひとつはそうでない人間。それだけだ。俺は後者でい続けたい」

 とかなんとかかっこよすぎる独白の背景には、疾走するサラブレッド。カメラは切り替わって馬券を破り捨てるチンピラの姿がクローズアップされる。なんつーダメ男なんだ! デニー!(爆笑) それにも関わらず後味が妙に爽やかだったりもするからおかしい。この作品を制作当時、鶴岡監督は弱冠23歳ということ。どういう人生感なんでしょうか(笑)

 この人の作品はいつも登場人物の「その後」が気になってしまいます。デニー君は立派なダメ大人になったかなーとか、「STRING OF LIFE 」のまついみなちゃんは、峰不二子みたく世界を駆け巡る悪女になったかしらんとか、「MOVIFUL LIFE 」のみゆきちゃんは映画やめて田舎に帰っちゃったかナーとか、「その男が俺に与える不安」の刑事は今ごろフロストみたいな下品でしたたかなおやじ刑事になってるに違いないとか。にしても、新作の上映はいったいいつ?

DENNY BE GOOD !!!
制作:鶴子村夫ワールドワイド (1998年・日本)
19分38秒 ADSLの1.5Mコースで無理なく見れました。

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ミスティック・リバー

 映画はそもそも光と影の表現だったはず。劇場の暗闇に身を潜める歓びは、スクリーンに眩しい光と深い闇が再現されるからこそもたらされる。撮影はトム・スターン。イーストウッド自身の作曲するピアノのエンディングまでうっとりと時間をすごしました。

 普通の人が普通に生延びるって本当にたいへんなことなんだと、誰もが知ってるけどなかなか表現できない事柄が、深い悲しみとともに迫ってくる。イーストウッドの創り手としての誠実さが胸に沁みる名作です。イーストウッドは1930年生まれ。100歳まで映画を撮って欲しいです。

ミスティック・リバー

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鶴子村夫ワールドワイド

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。新春第一弾のニュースはこれだ!

 自主制作映画のNo.1 鶴子村夫先生のサイトをリンクしました。掲示板にいろんな映画祭の作品募集の書き込みがあって面白いです。映画の流通や、新人作家がメジャーになる方法論について全くといっていいほど無知であることに気がついた私。これならまだ作家志望の人のほうがどうにかなりそうな感じ。賞の賞金も小説のほうが高い。準グランプリとって賞品が米っつー祭典は果たして? そんな中、監督を目指す人、役者さんを志す人、皆さんがんばってます。私は最後には「好きなこと」っていうのが自分を助けてくれると考えています。自分を信じてみんながんばれ! って思う。

 さああなたもディープな自主制作映画の世界を体験してみよー!(ただしトップページはいつも心臓に悪い)

鶴子村夫ワールドワイド

新作「FB2nd BLACK CAT the Eccentric」公式サイト

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ラスト・サムライ

 20世紀末から21世紀初頭にかけてのハリウッドの商業映画を、浴びるほど見て育った世代から、キル・ビルみたいな映画を作る映画作家があらわれることになるんだろうか? 今から40年くらいたったときに・・・ キル・ビルで暴力がパロディとなったように、そこでは安っぽい愛や涙や冒険がパロディとしておなかいっぱいなほどつめこまれるのに違いない。

 ディズニーランドのジャポネズム館(そんなのない)みたいな映画だろうという予測に寸分違わぬ内容。渡辺謙が「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の真矢ミキと同じように素晴らしい。力のある役者さんは、いかにも嘘のお話の世界の中で、徹底的に嘘の世界をその周囲に作り出し、嘘の世界の中でのまことらしさというものを紡ぎだすんだなーと感心した。

 あと、この映画をすすめてくれた50代の男性が「今でも、世界中の男性が一番つきあいたいのは日本の女だと思っているんだよ」と言っていたことが面白かった。あーそれについてことさらに感想をのべるのはリスキーだと思います・・・ 何がリスキーかって? 見ればわかる! 見れば。

ラスト・サムライ

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アルファヴィル

 BS2で録画してあったジャン・リュック・ゴダール「アルファヴィル」を見る。
 この映画の存在を知ったのはムーンライダーズのアルバム「カメラ=万年筆」がきっかけだった。高校生の頃。全部の曲名がヌーヴェルヴァーグの映画のタイトルだったのだ。「カメラ=万年筆」って何?? って思って、あの頃だいぶ映画の本を読んだ記憶がある。衒学趣味万歳。
 そのへんのホテルで撮影したって「ここは星雲都市アルファヴィルだ」って言い切っちゃえばそうなってしまうのが作り話のいいところ。小説で「世界で一番の美女」って言い切っちゃえばそうなってしまうのといっしょです。脱出するときのアンナ・カリーナの手足の動きはほとんど妖精のようだった。

ALPHAVILLE
OU UNE ETRANGE AVENTURE DE LEMMY CAUTION
1970
監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:アンドレ・ミシュラン 
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール
音楽:ポール・ミスラキ 
出演:エディ・コンスタンティーヌ, アンナ・カリーナ

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